第15章 【最近の悩み】
授業開始5分前のチャイムが鳴る。そろそろ行かないとまずいのに話がなかなか終わらない。菅原が終わらせない。
「私はあの人の、縁下力の妹ですから。」
ここにきて珍しく目を合わせて言う美沙に菅原はそっかと呟いた。
「ごめんな、引き止めて。そろそろ行かないと俺もヤバイわ、ほら美沙ちゃんは先に行って。」
「ああ、はい、失礼します。」
美沙は慌ててドアをくぐり階段を駆け下りた。
美沙は知らなかったがわざと遅れて階段を降りだした菅原はこう呟いていた。
「重症なのは兄貴だけじゃないみたいだな。」
次章に続く