第15章 【最近の悩み】

誰にだって悩みの一つや二つや三つはある。(まれにないと豪語する猛者もいるにはいるが)
例えば烏野高校男子排球部の面子に聞いてみるとよい、田中は一年の女子に教室を教えようとしたら泣かれたことと答えるし、影山は動物に嫌われている気がするなどと答える。
山口は可愛い女の子が話しかけてきたと思ったら月島のことばかり聞かれるという何とも切ない話であり、谷地は死ぬまたは死にそうな場面に出くわしたらどうしようというかなり切羽詰まった方向だ。
更に縁下力に至ってはその顔つきのせいか、気合い入ってる時でも眠そうと言われるのが悩みらしい。では、最近その力の妹になってしまった縁下美沙はどうなのか。

「悩み、なぁ。」

昼休み、屋上にて何故か男子排球部の一部と昼食にしている時の事である。面子は谷地、日向、影山、山口、月島の一年連中、加えて面白そうという理由で澤村を差し置いて菅原が参加している。その日向に

「美沙ってさ、悩みとかあんの。」

と聞かれたのだ。何故聞くのかと尋ねたら美沙はいい奴だけど顔からじゃ何考えてんのかたまにわからないから、と結構な無茶苦茶を言われた。
今の表情が固いと言われる事が既に悩みと言える気がすると美沙は思う。