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【ハイキュー】エンノシタイモウト

第12章 【兄妹だから】


「美沙いっつも針と糸持ってるのか。」
「うん、ばあちゃんが持っときって言うから持たされとった。あんまり使(つこ)たことないけど。」
「じゃあそればあちゃんにもらったのか。」
「うん。このガジェットケースもばあちゃんが作ってくれた。」

話しながら美沙はボタンの穴に針を通していく。1年5組の連中があれ何だ、1組の日向がボタン取れたって、それで何で縁下、と言い合っているが美沙も日向も聞こえてはいない。

「美沙のばあちゃんってもういないんだよな。」
「うん。」
「俺、想像つかねえ。親は最初からいなくてばあちゃんもいなくなって周りの人も助けてくれないって。」
「わからんでええよ、普通なんが一番。それに私は大丈夫、今新しい家族がいて、兄さんもおるから。」
「そっか。だよな、縁下さんがいるもんな、良かったな。」
「うん、ほんまに。ほら、出来たで。とりあえずつけたって感じやからまた取れた時は堪忍な。」

日向はうっひょーいと飛び上がって喜んだ。

「美沙、サンキューっ。これで母さんに怒られないっ。」
「そっちかーいっ。」

美沙は平手突っ込みをし、日向は喜びながら1組へと帰っていった。入れ替わりに谷地が戻ってきて、5組の教室を出て行った日向を不思議そうに見ていた。

「美沙さん、日向どうしたの。」
「ボタン取れた言うて何故かこっち来た。1組に助けてくれる奴おらんかったんかな。」

谷地はゲーンっと衝撃を受けた顔をした。
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