第1章 【始まり】
2人の関係性をどこまで知らせるかについては美沙は編入して早々に仲良くなった同じクラスの谷地仁花(丁度力のいるバレー部のマネージャーだった)には先に話し、他は聞かれたら都度答える事になった。何か勘繰る奴は防ぎようがないので考慮するのは基本的にやめたらしい。
力は落ち着いてからまずバレー部の連中の中でも言いやすいメンバーから始めて残りは兄妹がお互い慣れた頃にまとめて紹介した。(かなり騒ぎになった。)と言った訳で薬丸美沙が縁下美沙になってからの学校生活は義兄の力を中心に友と男子バレー部関係者との関わりが主になった。人見知り故に他へなかなか広がらないのが何だが当人は深く気にしていなかった。しかし逆に言えば男子バレー部の連中の目に触れたら義兄に情報が流れる訳でそこは気にしなくてはいけなかった。
そんなこんなでこれから始まるのはそんな縁下兄妹のとりとめのない日常、あるいはハプニングだ。どうか聞いてやってほしい。
次章に続く