第6章 【関西弁使用許可2年編】
「ちょっと待ちな、美沙。」
「何、兄さん。」
「有料アプリ云々ってお前もしかして買ったの。そんで決済はどうしたの。」
美沙はうっと唸った。
「多分怒らないから言ってごらん。」
「コンビニでプリペイドカード買ってその範囲内。」
「なら良し。ゲームで使いまくったりしてないだろうね。」
「私課金するほどゲームに執着ないもん。」
「まるっきり親父さんだな。」
成田が言う。
「こいつ普段気をつけてても気を抜くと危ないから。」
「兄さん、そらないで。」
「お前ゲームに課金はしないけど興味ある実用アプリ見かけたらすぐ食いつくだろ。んで3時間も検索して評価とか調べるだろ。」
「誰がそんなほんまの事を。」
「否定なしかよっ。」
田中が突っ込む。
「せやけど兄さん、それが私の色々勉強に。」
「おかげでうちは困らないけどさ、意地になってやりたいこと出来る方法探しまくって水飲むのも忘れるのはやめな。」
美沙はまだ何か言いたそうにするが力がにっこり笑って
「叱られたいのか。」
圧力をかけたので冷や汗をかいた顔で黙った。
「うう、兄さんがいじめる。」
「いじめてない。」
美沙は疑わしいと言った目をする。
「そんな目で見るなよ、代わりに帰り何か奢ってやるから。今日練習ないし。」
「奢らんでええからお願いがあるんやけど。」
いってみな、と力は促した。
「一緒に本屋寄って。」
「いいよ。先行って校門で待ってて。」
「はーい。」
美沙は走り去っていった。