第41章 【青葉城西と遭遇】
因みに縁下兄妹が去った後のことである。
「及川と岩泉からちょいちょい聞いてたけどよ。」
「うん、思った以上に面白い妹さんだった。でもおにーちゃんのあれはかなり重症だね。」
「あの兄貴、早晩妹をリアル嫁にするんじゃないですか。」
国見はなかなか鋭いようだ。
「国見よせ、怖くなってきた。」
「矢巾さんだってそう思ってるでしょ。」
「う。」
「まあでも仲良しみたいでいいんじゃないか。」
「渡さん、汗出てます。」
「でも改めてすげえな、いきなり義理の妹になったのにあそこまでお兄さんを信じられるって。」
「影山には出来ない芸当だな。」
「国見、俺は」
「意識してた癖に。それに金田一、あの嫁、旦那に関してだけは人を疑わないタチとかとはちょっと違う。」
「どういうことだ。」
「旦那は今確実に兄妹の一線越えかけか下手したら越えてると思うけど本当は嫁の方が先に気持ちがそうなってたんじゃないか。でなかったらあんなにベタベタされたり命令されたりして受け入れないだろ。」
金田一はパニクった。
「でもあいつは自分は妹だって思い込んでて自分が先にそうなってたことにきっと気づいてない。」
「お、国見おもしれーじゃん。いいな、実は先に妹が兄貴に一目惚れ説っ。」
こそっと話を聞いていた花巻がニヤッと笑った。
「一目惚れとまでは言ってませんけど。」
「及川が聞いたらショック受けるだろーなー。」
「すぐ立ち直るでしょ。で、金田一まだパニクってんのか。」
「だってよ。」
金田一は戸惑いながら言った。
「あの妹さん、そんな風に見えなかったから。」
「更に嫌な事言っちまうけど」
矢巾がポツリと言った。
「烏野の6番、妹が自分で自分の気持ちにも気づいてないこと知っててああやってたりして。」
国見が察し良さそうだったからあり得ると話を締めた。
次章に続く