第6章 【関西弁使用許可2年編】
さて、2年生陣については力の助力もあっていっぺんに美沙の関西弁についての話がついた。が、そこに至るまでの話が他より長かった。
授業が昼までで男子排球部の2年達が空いている教室で一緒に昼食にしている時である。
「ああ、くそ。」
田中が声を上げる。
「いきなりどうしたんだ。」
力が聞くと田中は手にしたスマホを見せる。
「スマホの動きがくそ悪い。」
「変なアプリいれたんじゃないか。」
「待てこら。」
アホなやり取りをしている場合ではない。
「いっぺん電源切って入れ直したら。」
力は呟き田中は言われた通りにしてみる。
「お、直った。さっすが縁下。」
「家に割とわかってる奴がいるからな。」
力は言う。さて田中が解決したかと思えば今度は木下である。
「あれ、動画見れねえ。」
「消されたんじゃないのか。」
「いや対応してない形式がどうとかって。パソコンは行けたのに。」
「それは俺にはわかんないな。」
「くっそー。あ、お前の妹なら知らねーかな。」
そう来るかと力は思った。
「いくら何でもそんなのわかるかなぁ。」
しかし木下はダメ元で聞いてくれと言う。仕方ないので力はメッセージアプリを起動、美沙にメッセージを送る。
「呼び出したから待ってて。」
待つ事しばし。