第40章 【出来心とその顛末】
「この阿呆、そういう事はもっと早く言ってくれないと。」
「えとあの兄さん」
「ずっと不安だったんだぞ、俺ばっかり可愛がってんのかって。」
「へ。」
「とりあえず遠慮しなくていい事はよくわかった。」
「あの、」
頭がついていっていない美沙、しかし力は美沙を再びベッドに降ろすととんでもないことを言った。
「着替えて飯にするからそこで待ってて。」
「いや私部屋に戻るで。」
「ダメ、そこにいな。」
「何でっ。私兄さんの着替え覗く趣味ないんやけどっ。」
「布団かぶってりゃいいだろ。それにとっとと言えばいい事を言わなかった罰。」
「理不尽やっ、玉ねぎが美味しい島に帰るっ。」
「お前淡路島行ったことないだろ、地理も苦手な癖にネタばっかり仕入れて。やっぱりそこにいろ。」
美沙がそんなと呟くと力は言った。
「たっぷり抱っこしてやるから。」
美沙はうっ、と唸り黙るしかなかった。