第36章 【義兄の突撃】
まずいことにこの岩泉と力のやり取りの間に他の青城の面子がよってきてしまい次の面倒臭い会話が発生した。
「妹じゃなくて嫁の間違いでしょ。」
「く、国見くん、何をっ。」
「国見が縁下さんを弄ったっ。」
「何か事情がおありみたいで大変そうですね。」
「ありがとう、金田一君。でも美沙は激しい性格じゃないから大丈夫。」
「確かにヒョロヒョロで変わってっけど別に大変なことはねーすね。」
「影山、美沙をヒョロヒョロ言うのいい加減やめてくれ。」
「ほー、美人じゃない上にヒョロヒョロなのか。」
「ほっといてください、花巻さん。俺にとっては大事な妹なんで。」
「松川、今の聞いたか。」
「うん、ほんと妹さんに首ったけだね。」
「どんな子だ、写真見せろ。」
「ええっ。」
「及川みたいに追っかけたりしねーから。」
「いえ、何か言われそうで嫌ですっ。矢巾君、助けてっ。」
「悪い、多分この人たち俺じゃ止まんない。」
「マッキー、こんな子だよー。」
「いつ撮ったんだ、この人は。」
「縁下さん、また目がこええっす。」
「ほー、確かに地味だな。及川、お前にしちゃ珍しいタイプじゃん。」
「あれだよマッキー、ギャップ萌えとか言うやつ。」
「ホント細いね、ちゃんと食べてるの。」
「まっつん、美沙ちゃんて意外と食べるんだよ。」
「何で貴方がご存知なんですか。」
「お弁当食べて更に購買でおにぎり2つ買ってるって本人からきーた。」
「あの馬鹿。あ、着信。家に着いたみたいだな。」
「え何、縁下君っ、定時連絡させてんのっ。」
「マジシスコン。つか親父さんかお前。」
「余計なお世話です。」
「クソバカ及川に花巻っ、おめーらもう喋んなっややこしくなるわっ。」
もう無茶苦茶である。付き添いしてもらったはずの影山はどうすればよいのか分からず汗を流しながら硬直、青城側も国見は呆れ、金田一は影山と同じく固まり、矢巾は俺もう知らないと頭を抱えていた。
余談だが残りの青城メンバー、リベロの渡と狂犬こと京谷は関わりたくないあるいは全く興味がないと一連の流れには不参加だった。