第1章 いつもありがとう
部活の後にこうやって夜久先輩と話すのが日課になっていて実は密かな楽しみなのだ。いつも楽しそうに話す先輩だが、今はどこか悔しそうに言っていてなんか笑ってしまった。すると休憩を終えた他のメンバーたちもやってきた。
「#吉野#ちゃんお疲れさ・・・あー!!夜久さんずるいっす!!俺もハグしたいっすー!!」
「おい!抜け駆けすんなよ!!」
まっさきに飛び込んできたのは最近入部してきたロシアと日本人のハーフで部内では一番背の高い1年生の灰羽リエーフ君だった。
『お、お疲れ様です。みなさん・・・』
リエーフ君にも抱きつかれたのが嫌なのか夜久先輩はリエーフ君を引きはがそうとするが、先輩以上の背丈のある彼には叶わない。
それを見ていた他の部員たちは高みの見物と言った状態だった。
「お前ら空気読めよ!#吉野#にハグしていいのは俺だけだからな!」
「「そんなズルいっすー!!!」」
(せ、先輩、なんて事言ってるんです・・・!?)