第1章 いつもありがとう
「#文花#、終わったよー・・・」
ぎゅぅっ
『わっ!?』
疲れ切った声で私にしがみついてきたのは私の通う音駒高校のバレー部の3年生の一人、夜久衛輔先輩。
『あ、夜久先輩お疲れ様です…ってどうしたんですか、いつも以上に死んだ顔してますよ?』
「あー・・・・それがな、聞いてくれるか?」
『はい、いいですよ?』
先輩はそういって日頃の悩みや提案などを私によく話してくれる。でも、どうやら2年生が心配でしょうがないそうだ…確かにみんなやる気あっていい子だとは思うけどちょっと個性的なんだよね、うん。
『でも研磨君この前の合宿でリエーフ君と烏野の子といませんでした?』
「ああ、そうなんだよ!あの研磨が人見知りせず喋っててさ!」
弧爪研磨君は私と同じ2年生で頭脳系のプレイヤーだけどちょっと人付き合いが苦手だけど私とは普通に接してくれている。
『ふふっ、なんだかんだ言って話せる子だとは思うんですけどね、研磨君は彼の話するの楽しそうでしたよ?』
「ええ!?お前とも!?け、研磨めいつの間に・・・!」