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紅く染まる百合

第6章 治癒という名の


同性の前とはいえ、下着姿にされたササコは恥ずかしそうだった。頬が紅潮している。

「あ、あの……」
「痛そう……」
ササコの声を遮るかのように、思わず呟いた。同時に、腕に付いた傷痕に唇を落とす。

ササコがビクッと反応したのに気づいた。しかしわざと気づかない振りをして、次々と腕の傷痕に唇を落としていく。ササコはどうしたらいいのか分からず、硬直していた。

「みゆきさん……」
か細く困惑した声が聞こえる。
「早く治るおまじないよ」
唇は腕を登って行き、首筋へ到達する。傷に触れる振りをして、強く吸いキスマークをつける。
「んぅっ……」
ササコから小さな声が漏れた。

「あ、あの、みゆきさん、もう大丈夫ですから……」
この状態から逃れようとササコが身を引く。しかしそれを逃すまいと身を寄せる。

「……本当はキス、気持ち良かったんでしょ?」
耳元で囁くと、ササコは顔を真っ赤に染める。なんとも分かりやすい、初心な子だ。

「ちゃんと全身、おまじないをかけてあげる」
紅潮したほっぺに、軽くキスをする。

全身の傷に、丁寧に唇を落としていく。胸元も、お腹も、フトモモも、すねも。時折キスではなく傷を舐めると、ビクッと体を跳ねさせ、甘い吐息が漏れる。

私は女性とどうこうしたいと思った事はない。だが何故だろう、ササコは泣き喚かせて、滅茶苦茶にしてしまいたいと思ってしまった。

「ササコ……」
足先までキスが終わると、再び顔を寄せ耳元で囁く。ササコは固まってしまって動けない。そんな姿すら愛おしい。

「みゆきさん……もう、終わりでいい……ですよね?」
搾り出すような声でササコが言う。潤んだ瞳でこちらを見つめてくる様は、余計に誘っているように見えた。

「ねえササコ、みんなが帰ってくるまでまだ時間があるし……もっといいコトしない?」
まるで悪魔が甘言を言うように、耳元で囁いた。

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