第2章 1時
小さい頃から目が悪くて、ぶ厚いレンズの眼鏡をかけていた。
人と話すことも苦手なうえ、
髪の色がオリーブかがっていたので、
周りの子供達は近付こうともしなかった。
そんな幼少期を送ったせいか、16歳になった頃には、
完璧な根暗キャラが出来上がっていた。
家の外で会話することもなければ、いつもうつむいて歩いていた。
ただ、家族とだけはいつもいろんな楽しい話をしていた。
元から綺麗好きなので不潔にしているわけではないが、
なんせ、人と話すことが苦手なので、美容室なんて行けるはずもなかった。
そのせいで腰まで伸びた髪は、定期的に母親に切りそろえてもらうだけだった。
前髪はぶ厚い眼鏡が隠れるくらいの長さを保ち、人の目を見ずに済むようにしていた。
でも、満足していた。
そう。
満足していたのだ。
だって、話しをする相手がいないわけではない。
自分というの存在を愛してくれる家族がいる。
ただ、いないのは。
今この時を一緒に分かち合える仲間だった。