第3章 2時
「これ飲んでみろ!」
いきなり目の前に現れたジョッキには並々と黄金色の液体が入っていた。
『ゾロ?これ、なに?』
渡されたものを手に取り、匂いを嗅ぐ。
「ビール」
うまいぞ。と言いながら、
勢い良く口へと流し込んでいくゾロを見て、
本当においしいものなんだと思った。
『ビール…』
恐る恐る口へと近づけ、
一口含む。
ゴクン。
と飲み込んだあとに苦さが口の中に広がった。
『にがっ』
べェっと舌を出してまゆを寄せる。
「ハハハっ!
もったいねぇ!こんなうめぇもん」
楽しそうに笑うゾロに、
この人はいろんな顔をするんだなぁ。
なんて思い、
もう一口、二口、ビールを流し込んだ。