第12章 *プロの時間*
宇佐見side
ビッチねえさんを追い出して、数十分
今は休み時間だ
友達と会話している者もいれば、読書してる者もいる
そんな時
ガララッ…
教室のドアが開いた
みんな、ドアに目を向ける
カッ
カッ
カッ
カッ
カッ
ハイヒールの音だけが教室に響き渡る
学校に、それもオンボロ校舎にハイヒールできたら、所々の穴に突き刺さるぞw
ビッチねえさん
ビッチねえさんは黒板に何か、書き始めた
「you're incredible in bed!言って‼︎」
みんなポカーンとしてるw
そりゃそうでしょ、いきなり入ってきて、黒板に訳のわかんない文を書かれて
「ホラ‼︎」
「「「「…ユ、ユーアーインクレディブルインベッド」」」」
「アメリカで、とあるVIPを暗殺した時、まず、そいつのボディガードに色仕掛けで接近したわ、その時、彼は私に言った言葉よ、意味は…「ベッドでの君はスゴイよ…♡」
中学生になんて文読ませてんのさw
「外国語を短い時間で習得するには、その国の恋人を作るのが手っ取り早いとよく言われるわ」
相手の気持ちをよく知りたいから、必死で言葉を覚えようとしてんだろーね
「私は仕事上、必要な時…そのやり方で新たな言語を身につけてきた、だから私の授業では…外人の口説き方を教えてあげる、私が教えてあげられるのは、あくまで実践的な会話術だけ、もし…それでもあんた達が私を先生と思えなかったら、その時は暗殺を諦めて出て行くわ……それなら文句ないでしょ?」
そう言っている彼女の表情は、幼い子供のようだ
「…あと悪かったわよいろいろ」
ボソッと聞こえた、謝罪の言葉
第三者が聞けば、謝罪には聞こえないかもしれないが、これは彼女なりの謝罪なんだろーね
みんなは、唖然としている
顔を見合わせ
「「「あははははは」」」」
突然笑い出した生徒に、びっくりしたのだろう、目に見えて驚いている
「何、ビクビしてんのさ、さっきまで「殺すわよ⁉︎」とか言ってたくせにー」
私がそう言うと
「なんか普通の先生になっちゃったな」
「もうビッチねえさんなんて呼べないね」
「……‼︎あんた達…わかってくれたのね」
ビッチねえさんは感動してる