第11章 *大人の時間*
イリーナside
未知の生物を殺す仕事は初めてだけど、準備は万端、技術を駆使して殺せないターゲットはこの世にいない
電子機器を使い、今回の暗殺の資料を見ながらそんな事を考えていると、ふと、潮田 渚はと目が合う
ボーヤにも情報も喋らせたしね
片目を閉じ、舌を出した
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━…
『触手一本なら破壊できた人はいるけど、その程度じゃ殺せんせーは余裕でした』
私は、タバコを口に含み、潮田渚の顔の横に手を置きながら、タコの弱点を聞く
そう、いわゆる壁ドンってやつ?
『多分…全ての触手を同時に壊す位じゃないと、とどめをさす前に逃げられます、あと…闇討ちするならタバコやめた方がいいよ』
タバコを吸っている私に向かってボーヤはそう言った
『殺せんせー鼻ないのに鼻良いから』
━━━━━━━━━━━…
━━━━━━━━…
…その程度なら今回のプランに支障はないわ
フッ
私はイリーナ・イェラビッチ、あらゆる状況で暗殺をしてきたプロ中のプロよ
「なービッチねえさん、授業してくれよー」
ずるっ
1人のガキの言葉に椅子からずり落ちそうになる
「そーだよビッチねえさん」
「一応ここじゃ先生なんだろビッチねえさん」
「ビッチねえさん」
「ビッチさん」
こんのクソガキ共め!
「あー‼︎ビッチ、ビッチうるさいわね‼︎まず正確な発音が違う‼︎あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね‼︎」
━━━━━━━━━━━
◯-Vic《ヴィチェ》
意:スラブ系の人名に含まれる
「〜の子」
×-bitch《ビッチ》
意: やらしい女《性格的に》
やらしい女《性的に》
雌犬
━━━━━━━━━━━
「正しいVの発音を教えてあげるわ、まず歯で下唇を軽く噛む‼︎ほら‼︎…そう、そのまま1時間過ごしてれば静かでいいわ」