第8章 *二択の時間*
宇佐見side
何を言い出すのだろうか
「?はい」
殺せんせーは答える
「先生ってさ命かけて生徒を守ってくれるひと?」
いや、人と言うより…タコだよね
「もちろん、先生ですから」
「そっか良かった、なら殺せるよ」
そう言うとカルマは銃を構えた
ま、まさか?
「カルマ‼︎」
「確実に」
カルマは…
崖から体をこちらに向けてそのまま落ちた
嘘でしょ⁉︎
私は考えるより先に体が動いていた
私も飛び降りてしまった
カルマは目を見開いている
「な、なんで」
「なんでって…あんたが私のクラスメートだからだよ!」
そう、どんなにアホな問題児で、暴力沙汰を何度も起こしてたって、あんたは私のクラスメートだ!
手を伸ばせば届くはずなのに、あと数センチの距離なのに
届かないもどかしさ
でもカルマ考えたね
殺せんせーが助けに来れば救出する前に撃たれて死ぬ、見殺しにすれば先生としての殺せんせーは死ぬ
ガシッ
届いた!
「宇佐見お前も死ぬかもしんないんだけど?」
「大丈夫w殺せんせーならw」
「?」
この言葉に疑問を持つカルマ
ドシュシュシュシュシュシュ
「えっ…」
「ほらw」
ドサッ
私達は蜘蛛の巣のようにしかれた先生の触手に落ちた
うわーなんかネバネバするんだけどw
「カルマ君、自らを使った計算ずくの暗殺、お見事です」
「見事なのはどっちさw音速で助ければ私たちの肉体は耐えられないし、かといってゆっくり助ければその間に撃たれてアウト」
「しかし、とっさに助けに出た桃果さんもお見事です」
「いや、私は何も出来なかったしw一個いい?このネバネバどーにかなんない?てか、なんでもアリねこの触手」
「これならカルマ君は撃てませんねぇヌルフフフフフフ」
私は横を向いて
「カルマ」
と、呼んだ
「なに?」
「殺せんせーに見捨てるという選択肢はないよw」
「桃果さんの言う通りです、だからいつでも信じて飛び降りて下さい」
「………………はっ」