第6章 *基礎の時間*
宇佐見side
「いっちに〜さ〜んし、ご〜ろっくしっちはっち」
「晴れた午後の運動場に響くかけ声、平和ですねぇ」
「のどかだねぇ…生徒の武器《エモノ》がなければでしょ?」
「確かに…ってなんで桃果さんがいるんですか⁉︎というよりいつからいたんですか⁉︎」
「八方向からナイフを正しく振れるように‼︎どんな体勢でもバランスを崩さない‼︎」
烏間せんせの大きな声が響くのと同時に、驚いた殺せんせーは私の方を向く
「失礼な、さっきから隣にいたんだけど?」
本当に失礼なタコだ
「そ、それは失礼しました」
「…ねぇ、このやりとり前もあったよね」
「……すみません」
「まぁ、いいけど」
「って、桃果さんも体育しないと!」
「体育暇なんだもん」
私がそう言うと、烏間せんせは私達の方へ来て
「この時間はどっか行ってろと言っただろう、体育の時間は今日から俺の受け持ちだ」
そーだぞー殺せんせー
「追い払っても無駄だろうがな、せいぜいそこの砂場で遊んでろ」
「ひどいですよ烏間さ…烏間先生、私の体育は生徒に評判良かったのに」
烏間せんせに言われた通り砂場で遊んでる殺せんせー
山を作り、泣きながらそう言うと
「嘘つけよ殺せんせー」
って菅谷くんが言った
だよねwあれはダメだよなw
「身体能力違いすぎんのさ、殺せんせーは、この前もさぁー」
私はそう言いながら、この前の事を思い出す
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「反復横跳びをやってみましょう、まず先生が見本を見せます」
デコボコなグラウンドの上に引かれた3本の白線
そして
「「「「「⁉︎」」」」」
おぉー速いw
殺せんせーは速すぎて三体に見えるらしい
私には一体にしか見えないけど…
多分残像が残ってるんだろうねぇ
でも……ちゃんと跳んでるんだw
速いんだからごまかせばいいのに
でもさ、こーゆー所が他の先生よりいいとこなんだろうね
「まずは基本の視覚分身から、慣れてきたらあやとりも混ぜましょう」
「「「できるか‼︎」」」
だよね〜w
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「異次元すぎてね〜…」
「体育は人間の先生に教えてもらいたいわ」
ガ━━━━━━ン
殺せんせーは目に見えて落ち込んでるw