第2章 よく似た背景が 空条
ジョジョの家はとても大きかった。広すぎるともいえる日本庭園はマンション暮らしの私にとってお金持ちという発想しか生ませない。
連れてこられた部屋にはジョジョと私以外にジョセフさん、アヴドゥルさん、花京院さん、それとホリィさんがいた(名前は自己紹介してもらったので何とか覚えた)。
私がジョジョの背景である浮いたものが見えると話した時、ホリィさんとジョジョ以外の方は大きい声を出して驚いた。なんと、ここにいる人たちは皆見えるのだという。それはスタンドと言って超能力のようなものだとわかりやすく説明してくれて、しかもそれは持っているのだという。
「わ、わかんない…」
どうやらそのスタンド、というものを使って戦うのだという。私にはそこしか理解できなかった。
「植嶋」
ジョジョの声が聞こえてビクッと肩を震わせるとやれやれだぜ、という声が聞こえた。私の真横に腰を下ろして話し始めた。
「悪いな、行き成り変な事に巻き込んじまって」
「い、いえ」
確かに私には理解できない事ばかりで、難しい事を直ぐに飲み込めるほど頭は有能ではなかった。が、ジョジョ達はこれを理解し受け止めて、コレから長期間日本を離れてしまうのだという。
命の奪い合い…そんなものはとうの昔に終わっているのではないのかと平和ボケした私は特に深くは考えていない。
「…明日から学校は行かねえ」
もう明日には日本を出てしまうのだという。そうなんだ、と冷めた気持ちもありながら、ようやく話せたんだけどなと悲しく思う気持ちもある。
「付いて来い、そう言ったら来るか?」
その言葉に、私は直に頷いてしまった。
あれ、お母さんに何て説明しよう、お父さんにどういって出て行こう、そんな事を考えながらジョジョが立ち去っていく背中を見つめた。その背中はいつもより逞しく見えて、顔の筋肉がゆるんでしまうのがわかった。
あぁ、私はジョジョに恋をしたんだなぁ
END