第19章 It's a secret. DIO
こそこそと、私は一生懸命日記をつけている。これは私が文字をかけるようになってから一度たりともサボったことのない日記。
「…よし、今日の分はオッケー」
一年分の日記がもう何冊も収まっている本棚に今年分の日記帳をいれる。翌年の日記帳は勿論用意してある。最近オープンした雑貨店で見つけたシンプルな日記帳だ。少しだけデコレーションを施し、自分の名前を小さく書いた。
「また日記か」
「DIO様」
私が忠誠を誓うDIO様は、私が貧民街でひとりぼっちだったところを見つけてくださり、ここに連れてきてくださった方。
「日記というものは、鮮明に過去を思い出すことができて楽しいですよ」
「ほう…」
すると私がおさめた今年分の日記帳をとりだしてパラパラとめくりだした。この本棚もDIO様が用意してくださったのだ。
一通り見終えると本棚に戻された。
「亜理紗、ひとつ聞きたいのだが」
「はい」
「…お前、歳は17といっていたな」
私は頷いた。
「歳にあわない数ではないか?」
その日記帳の数、40冊は軽くこえている。
私は先ほど一年分の日記と言ったが、確かに間違いではない。
「…そうですね」