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ジョジョ短編集

第15章 アンチビート 空条 ★




いつもいつも、私の視界に入って来るあなたの事が嫌いなんだ。本当に、なんでいつもいるんだろう。
きっとこれをあなたに話したって無駄なんだろう。知ってる。

「なあ」

声を聞くたび寒気がする、どっかにいってくれないかななんて思っているのはきっとこの学校の女子の中で私がただ一人。だってこの人、人気者じゃないの。
私は承太郎、あなたが嫌い。

「離してよ」

「…」

なんのつもりで私をその腕で抱きしめているのか私には訳が分からない。はやく、ほら早く離して。ふつふつと湧き上がるこの感情は怒りなんだ、私は怒っているの。

「…もう、やめてくれる?」

「亜理紗」

私を見ないで、やめて。その目を、その憎たらしい程に美しいその両目をしまって二度と外に出さないで。その瞳は私の汚い心には純粋すぎるの。
何度言っても私をその目で捉えるのなら私がその目を抉り取る。
ああ、でも、見えないのはちょっとだけ可哀想だしその整った顔が崩れ去るのも見ていて不愉快だから抉り出して汚れた目をもう一度飾り付けるようにはめ込めばいいのね。
こうしたってあなたは文句なんて言えない筈よ。

「ねえ、そうでしょう」

私の事をあなたはこんなにも愛してしまったんだもの。

―付き合ってくれ

そう呟いていた言葉をあなたはいつまでも私に向かって言い続けるんだもの。
断っても断っても言い続けて、私の胸が痛いほどに締め付けられて不快なの。
私を愛してしまった罰を受けてよ。
死にたいほどに辛くて、あなたから逃げたくて、楽になりたくて。
でもきっとあなたから無理矢理にでも離れようともがけばもがくほどこの胸に縛り付けられた鎖が絡みついて痛いから私はもうこれ以上辛い思いをしたくないから、きっと逝けない。




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