第12章 夢見ガール シーザー
後日、シーザーが生存しているという連絡が皆に入った。
大至急集合という号令がかかり、私とシーザーは修行していたという島へと向かった。
「リサリサ先生、ただいま戻りました」
「よく、戻ったわね」
リサリサさんは泣いてはいなかったものの、本当に嬉しそうに何度もシーザーとハグをしていた。母親同然にも思っていたシーザーは泣きながらハグしかえしている。
「ピンピンしてんじゃあねーかよシーザーちゃん!」
「けッ怪我人に対して叩くやつがあるか!」
ジョセフとシーザーはうれし泣きしながらいつものようにやりとりを繰り返していた。ジョセフは義手を自慢げに見せたり、シーザーは腹に付いた大きな手術痕を見せたりと怪我自慢が始まった。
なんだか長い間いなかったなんて嘘みたいに時が流れていた。長い長い夢をみているのではないかと何度も手の甲をつまんだり時にはスージーQに頭を叩いて貰ったりと何度も繰り返していた。でも、これは夢じゃあなかった。現実だった、よかった。
「亜理紗」
再開を楽しんだシーザーは2人きりで話がしたいと屋上へと連れて行ってくれた。
「待たせて、本当にごめんな」
「…ええ」
「言いたいことがある」
そういって私の前に跪く。私が望んでいたのは、こういう言葉だったんだ。
「俺は断られたとしても亜理紗以外の人には絶対に言わない」
小さな箱を私の目の前にだして、開ける。
「結婚してくれ」
綺麗な指輪が輝き、シーザーの顔を少しだけ照らした。
「馬鹿ね」
「亜理紗…?」
「シーザーもその言葉も、他の女になんて渡さないわ」
嬉しそうに緩みきったその顔、とっても似合ってるわよ、シーザー。
END