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ジョジョ短編集

第2章 よく似た背景が 空条




私はいつの日からか、同級生の後ろに何かを見るようになった。
その同級生はジョジョ、空条承太郎。彼はこの学校の人気者で女子生徒からのアプローチを独り占めにしている。と言っても本人はそのつもりはないみたいで、逆に迷惑がっているようにも見えた。

「あ、また…」

ちらつくもの、とても大きくてまるでジョジョのようだった。
ジョジョはそれに気が付いているのか否か、私にはわからない。特別意識しているようでも無いので私にしか見えないんだろう。他の女子生徒や男子生徒、教師にも見えていないようだ。しかもそれはすり抜ける。

「鬱陶しいぜ、ったく…」

ジョジョに飛びついた女子生徒の体は、その背景に触れもせずに通り抜ける。女子生徒がおかしいのか、いや…私にしか見えていないであろうあの背景が異常なのだ。私の目が異常なのか?いや、そんな事は今どうでもいい、その背景について私は興味を持った。
だが私はきっとジョジョにとって『鬱陶しい女子生徒』の一部なんだろうから声をかけたとしても見向きもしないだろうし私の声など届かないのだろう。
でもその背景、とても気になる。気になりすぎて授業に身が入らない。
私は勇気をもってジョジョに話しかけることにした。



ジョジョはよく屋上で煙草を吸っている。このことを教師は知っているようで何度も止めているようだがジョジョは一向に聞かない。
何と声をかけたらいいのかわからなくて屋上のドアの前で突っ立っていると、ふいに何処からか視線を感じた。

「…見てる?」

ジョジョの背景であったその人影は確実に私の様子を伺っているようだった。私には霊感的なものは存在しないからそれは霊だということがハッキリとはわからない。でも確実に私の事を見ているようだ。
バチッと音がしそうなほど視線が合うとそれに反応してジョジョが煙草を床に押し付けて火を消すと私の方に振り向いた。





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