第11章 重症患者 花京院
僕は半年前から付き合い始めた彼女、亜理紗の事を愛している。
何処が好きかって、そんなの聞かれて答えていたらキリがないし全てなんて言ったってそんなのでまとめてしまうには惜しいくらいに愛している。
あえて、あえて一つだけ挙げるとしたら…
「花京院君―――――ッ!!!」
「ん?」
「そんなキレイな顔で首かしげても許さないからね!!」
とか言いつつ亜理紗は僕を殴ったりけったりはしない、それをしないことを僕は知っているし寧ろされてもこの行為は続けるつもりだ。
「いい加減はやくソレなおして!」
僕は半ば無理矢理な状態で脱衣所から追い出された。
…俗にいう窃視症、僕はそれを患わっている。といっても手術を要するような病気じゃあない。他人に言わせれば性癖。
これを発症したのは亜理紗に一目ぼれをしたとき。本当にその瞬間だった。それまではまるで興味のなかった事だったのに、それがさも当たり前かのように僕の胸は高鳴った。
忘れもしない、体育の授業後だった。
僕の席は亜理紗の後ろ、亜理紗は友人と3人で着替えをしていた。無防備にも誰が見ているかわからない教室のど真ん中で着替えをしていた。いつもならさりげなく目をそらしてみなかったことにするんだが、何故だかその日は凝視してしまった。幸いそれを誰に勘図かれることはなかったんだが、その時の衝撃は凄かった。
『無防備に衣服を脱ぐ亜理紗に欲情した』
僕はその日のうちに亜理紗に告白をした。こたえはイエス、前から気になっていたのと言ってくれた。とても嬉しかった。
それからは毎日のように着替える亜理紗を見ていた。もう付き合っているのだから合法化されているようなものだろう、躊躇なく見ているといつの日か亜理紗はそれに気が付く様になりトイレで着替え始めた。なんてことだ、僕はとんでもない失態を犯したようだ。