第1章 告白予行練習~another story~
『告白予行練習』の後からの言葉は頭に入らなかった。
予行練習という事は、本命の人がいるという事で。
俺を練習台にしたという事は、その本命は俺ではない訳で。
この恋は俺の片想いで終わる事を一瞬で理解してしまった。
失恋したと分かった瞬間、色々な感情が表に出そうになり、どんな顔をしたらいいか分からなくなった。
「あの……及川君?」
「そんな事言ったらさぁ…俺本気になるよ?」
「えっ!? えっと……だから練習だって!!」
自分の表情を誤魔化すために言ったイジワル。
これで少しでも俺の事を気にしてくれるといいなと願いながら。