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恋愛協奏曲【ハイキュー短編集】

第3章  soundless voice


二月――


静寂が街を包み込む夕方。日が落ちるのが早く、まだ五時だというのに夜のように暗い中、俺は自転車を走らせていた。



口から吐く息は白く、細かい雪は頬に触れた瞬間に溶けていく。肌を切る様な寒さの風を全身に受けながら、ペダルを踏む足に力を入れる。


早く……早くしないと……が……



手遅れになる、その前に。

一分一秒でも早く。

その場所にたどり着くために。

ただそれだけを考えて、自転車を走らせた。
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