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審神者と刀剣と桜

第8章 演練


 それから、自己紹介をしてくれる。

「僕は”堀川国広”と言って、和泉守兼定と一緒に、土方歳三が使っていた脇差さ。僕が本物の国広かどうかは意見が別れるところだけど、少なくとも兼さん……兼定の相棒だったことだけは、本当だよ。宜しくね、主さん。」
「よ、宜しくお願いします…。」

 何か、色々言っていたけど、取り敢えずは和泉守さんと同じ土方さんが主の刀だというのは理解した。

「えっと、”秋田藤四郎”です。藤四郎は兄弟が多いですが、僕を見間違えたりはしませんよね。ずっと貴い方の守り刀をしていたので、あんまり戦に出てないんですよね。宜しくお願いします、主君!」

 ピンク色の髪の少年は、秋田君というらしい。覚えた。
 秋田君が言っていた話の中に、戦にはあまり出てないってあったけど、政府は何を考えているんだよ!?小さい子が戦に出ているのだけでも、罪悪感半端ないのに…。
 次は秋田君の隣に座っている、秋田君を背負っていた美少年が口を開いた。

「”薬研藤四郎”だ。名前はこうだが兄弟達と違って、俺は戦場育ちでな。雅な事はよく分からんが、戦場じゃ頼りにしてくれていいぜ。ま、仲良くやろうや大将。」

 見た目、儚そうなのに話すと男って感じがする。凄く、男気を感じるんですが…。

「あ…岩動千隼です。この本丸を任されて、審神者をやっていますが、主だと思わないで下さい。そんなに大層な人間じゃないんで。」

 主だと思わないで。そう言うと、三振りはポカーンと口を開けて、驚いているようだった。加州は特に気にしてはいないようだった。

「そうか…。何があったかは知らんが、俺は大将の事を大将だと思うからな!思う事は、誰でも自由だろ?」

 主と呼ばれたくない理由は特にないけど、何かを察したんだろう。薬研君は気にしないと言ってくれた。
 まあ、言うのも思うのも、その人ーー刀の自由だしね。

「これで、自己紹介は終わりだね。秋田に薬研は風呂に入って来な。まだ、短刀の皆は入っているだろうし。」

 三振りの紹介が終わると、加州が口を開く。秋田君と薬研君はその言葉に頷いて、部屋を後にした。

「清光、兼さんは居間にいるんだよね?」
「多分、テレビでも見てるよ。」
「テレビ…。僕も居間に行くよ。」

 堀川君もそういうと、ウチの部屋を後にし、居間へと行った。
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