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体力の代わりに

第5章 三対三


翌、土曜日

『行ってきます』

兄「気をつけろよ」

『はーい!』

朝、集合時間三十分前
いつも通り兄に送ってもらい、学校に入る。

グンッッ

『わわっ!』

途中まで何事もなく動いていた車イスが、
慣性による衝撃と共に止まる。

後ろから止められた上に、
横から手がぬっとのびてきて操作を行っていた左手を
強制的に外された。

『ビックリするじゃん。やめてよ、
 月島くん』

車イスを止めた時点で誰がそれをしたのか気付いていた。

こんなことする人、
他にいるはずがない。

月「何か一人でいるのが
  可哀想に見えたー。ごめんねー(棒読み)」

『ヤダ』

月「本性出てるよ」

『もういいの。別に本性じゃないし』

そう、これは本性じゃない。

意地悪な人、生意気な人と話していると、
出てきやすい別の私。

かといって、私が二重人格かというと、それは違う。

とにかくこの性格は扱いにくいのだ。

月「そう・・・。
  で、その髪、どうしたの?」
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