第7章 青城戦
及「いった~い!!!!」
迫り来る『及川さん』に
対応しかねていた私の耳をついた
鋭い音、正体は靴だった。
振り下ろしたのは、
そう、たしか、岩泉さん。
『及川さん』と会った時、
この人にも会った。
随分荒っぽいことをしたが、
及「岩ちゃん、何すんのさ!!」
岩「お前が試合を止めてるからだ
バカ及川!!新先輩の妹まで困らせて!!
お前を怒るのはもううんざりだぞ!!」
いつものことらしい。
及「あ・・・すみませんでした・・・」
岩泉さんだけでなく
青城の監督も
そろそろ怒りだしそうなことに気づき、
『及川さん』はシュン・・・と
小さくなる。
そして、素直に監督の指示に従い
ウォーミングアップを始めた。
『化けの皮、剥がれたり』
古語が似合う、そんな雰囲気に
こっそりつぶやいた。