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サヨナラの記憶

第2章 大きな出会いと小さな幸せ


~院内学級~
「あっ!おはよ!優音滴~」

教室のドアを開けると私の一番の友達、 上野川 花音(かみのがわ かおん)が手を振って声をかけてき た。
「知ってる?今日、転院生が来るんだって!」
「えっ?本当に?初めて知ったよ!」
驚いた。転院生なんてめったに来ないから新しい友達が来るのが楽しみになった。 回りの友達も転院生が来るという話で持ちきりだった。
「はいはーいっ!座って~!」
勉(つとむ) 先生が手を叩き机の前に立った。その瞬間教室全体が静まり返った。
「今日は転院生を紹介する。入ってきて。」
勉先生がそう言うと教室のドアが静かに開いた。入ってきた転院生を見るとどこか で見覚えのある顔だった。短めの髪に二重の瞳。……確か…

「 節三  健助(ふしみ けいた)です。宜しくお願いします。」
青年は一礼して顔を上げると私は頭の中で誰だかを悟った。昨日、私の帽子を拾っ てくれたあの青年だった。顔と声も一致していて驚いた。
「はい、宜しくね。じゃあ~健助くんの席は…。あそこ。」
勉先生が指差した先は私の隣の席だった。
「はい。」
冷淡に返事をし、青年は私の隣に座った。その瞬間何ともいえない気まずさになっ てここから逃げ出したくなった。しかし…
「昨日、会ったよね?宜しく。」
気まずい空気をものとはせず、青年は私に話かけてきた。
「あ、うん!宜しくね。」
上手く返事は出来なかったが何だか親しみを持てたような気がする。
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