第2章 紫色のキセキ。
「俺さぁ、勝てないと思ってたから今まで言う事聞いてたけど…俺、自分より弱い奴のいう事聞くの…やだなぁ。」
「…なんだと…?」
場の空気が凍ったのがわかった。
赤ちんのとなりで
るりちんが最高に困った顔をして
赤ちんを見つめて居た。
こんな時までそいつ。
ムカつく。
「今、なんと言った?」
「だからー、俺、自分より弱い人のいう事聞くのやだって。」
俺が再びそういうと、
場の空気は一気にピリッとしたものになった。
「な、何言ってるの紫原くん!こんなのダメだよ!」
るりちんがあわてて俺の方に駆け寄ろうとする。
が、その手は赤ちんにつかまれた。
「そ、そうだよ!それにケンカなんて後から監督に…」
さっちんも慌てて俺たちの方へ駆け寄ってくる。
が、
赤ちんはそんな二人を押しのけた。
「うぬぼれるなよ。紫原。1on1、5本先取だ。」
赤ちんがそう言い放った瞬間。
思わずニヤリと笑った。
全員が口をぽかーんと開けてみていた。
「どうなっても知らないよ?赤ちーん。」
その時、るりちんの顔を見た。
不安そうな顔で
また赤ちんを見つめて居た。
あんたの大好きな赤ちんを
目の前でボロボロにひねり潰してやるよ。
そう言い放ってやりたくてたまらなかった。