誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第10章 2人の願い事
「お。きたきた」
皆が寝静まった頃、二人は静かに部屋を抜け出しホテルの廊下に集まった。
「ほな、いこか」
「うん」
先生たちにバレないよう、何とかホテルを抜け出した。その後タクシーに乗って山能寺に向かった。が……しかし…。
【本日の拝観は終了いたしました。 拝観時間午前9時より~午後5時まで】
と門には堂々と張り紙がされていた。
「何で時間考えんかったねーんっ!」
和葉は少し怒り気味で言った。
「そないいわれてもやなぁ…寺なん時に閉まるとか分かれへんし」
「ほっんま、探偵やったら分かるやろ」
時計を見ると午後11時だった。
「んまぁそうかっかすんなや。また今度にするか。京都やったらいつでも来れるし」
平次は諦めることを考えたが…
「あたしまだ帰らへん」
和葉は真剣になって言った。
「帰らへんって…お前、寺開くまであと何時間あると思ってんね…」
「ほんなら寺の前にあるあそこの旅館に泊まればええやんか!」
寺の前の旅館を和葉は指差した。
「しゃーないやっちゃなぁ」
in旅館
「では。ごゆっくり」
受付を済ませ二人は部屋に入った。
「こんな所に来てるって先生にバレんやろか…」
自ら泊まると言っていた和葉が今になって心配した。
「大丈夫やて。もし、怒られたら全部俺が悪いですってゆーとくさかい。それよりもう遅いから寝よか」
平次は目を擦りながら言った。
「うん…」
布団のすぐそばにあるランプを少し暗くするとこだまが部屋全体に広がって丁度良い明るさになった。そのせいか二人の鼓動は速くなっていく。
「和葉。ちょいこっち向いてみ。髪ほどいたるで」
「あ…ありがと」
平次はポニーテールの和葉の髪に触れリボンをほどいた。その瞬間思いっきり和葉を自分の方へ引き寄せた。
「ん…ッん…」
熱い唇が重なり合う。
「和葉…俺…やっぱこういうの我慢でけへん…」
「うん…。今日は大丈夫。この前みたいにならんよう頑張るから」
和葉はそう言いながら自ら服を脱ぎ始めた。
「えっ!えええっ?!」