誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第7章 とっておきの風邪薬
「平次!平次!!平次!!」
目を覚ますと和葉がベットの横で必死に平次の名前を呼んでいた。
「か…和葉?」
意識がまだハッキリとしていないが、かろうじて和葉の顔が分かった。
「平次。大丈夫?服も着替えんと…汗びっしょりで。病院、行ったん?」
「行ってへん。もぉしんどーて。行けへんわ……て、何でお前、俺の家居とんの?」
「学校、早退したって聞いたから平次の家来たんやん。今日、おばちゃんとおじちゃん居んのやろ?」
「そやけど…お前、学校は?」
「学校ならとっくに終わったわ。まさか平次、ずっと寝てたん?」
和葉にそう言われて時計を見ると午後6時半だった。
(ずっと寝てたんか…)
「平次。まず着替えい。その間、あたし、体温計取ってくるから」
そう言って和葉は平次に服を渡した。服を着替えてしばらくすると和葉から体温計を受け取った。
ピピピピ-
熱をはかると〖39、8〗と示されていた。
「うわっ!めっちゃ熱あるやん。ちょっとあたし、水枕と冷えピタ持ってくるわ」
和葉は冷えピタと水枕を持ってきた。
「どうする?病院行く?」
「んー。車でいかなあかんし、歩くとフラフラするから行かんわ」
「じゃあ、風邪薬飲んどく?」
「ん。そうするわ」
和葉から風邪薬を受け取りそれを一気に水で飲み干すと五分もしないうちに平次は眠ってしまった。
(ほんま、病院で大丈夫かな?身体、ごっつー熱いし。少しは体力つけなアカンよな)
そう思い、和葉はスーパーへ出かけた。スーパーでネギ、ナズナ、にんじん、ごま、白米、ポカリを買い揃えると服部邸へと帰り買ってきた食材を使って特製のお粥を作った。それを持って平次の部屋へ入った。
「平次ぃ~。具合大丈夫?お粥作ったねんけど」
お粥を一端、机に置いて寝ている平次を揺らしながら言った。
「和葉…愛してる」
(!?…)
突然、平次が和葉に寄りかかってきた。
「んっ?!どないしたん?平次!?」
どうやら、眠っているようだが何かの夢でうなされているようだった。
「和葉…。もっと俺の方に近付いてくれや‥」
(平次、どんな夢みてんねん。)
そう思い、和葉はふざけ半分でうなされている平次の元に顔を近付けた。
「和葉‥大好きやで」
平次はそう言うと和葉に思いっきりキスをした。
「ん…っ」
(平次。本馬に寝てんの?目ぇ開けてへんのにすごいなぁ)
そう思いつつ和葉は平次の唇を離さなかった。