第42章 クロロ=ルシルフル✴︎ホワイトデー企画
『。。。え、何これ』
「ホワイトデーだ」
淡いピンクのリボンでラッピングされた白い小さな箱を渡されたのは午前4時
音も無しに部屋に入ってくるものだから驚いたのは言うまでもない
『私、チョコあげてないよね』
ついさっきまでぐっすり寝ていたのだ
まだ寝ぼけている頭を必死に動かして会話する
鋭い瞳は布団の上で座り込む私を見下ろす
「来年の分だ。」
『来年って、、、』
そう言って隣に座り込む彼は大きく息を吐く
来年の分を先に渡すなんてこと聞いたことがない訳で戸惑うのは至極当たり前だ
「喉が渇いたな」
言葉にはしてないが彼の目ははっきりと”もってこい”と言っている
人使いの荒い彼氏さんだな
私が今起きたばかりなのをわかっているのかと問いかけたくなる
『ココアでいい?』
「あぁ、温かいのでな」
『はいはい』
簡単なココアを作りにキッチンへいく
彼が気に入っているマグカップを取り出しお湯を沸かす
と、ここで気がついた
”クロロの好きなココアの粉がない”
そういえば最近なかなか来なかったから買っておくの忘れてたな
そばにあったコートを羽織り彼のいる寝室へ向かう
『クロローココアないから買いに行くけど一緒に行くー?』
「、、、、その格好でいくのか?」
『うん。そのつもり』
「行く」
布団の上に寝転がり目に手を当てていた彼は立ち上がり
後ろへ流していた髪を片手でとかし額の印を隠す
『疲れてるんだったら待ってたら?』
「いや、大丈夫だ」
さりげなく隣へ歩み寄り手を繋ぐ彼
すごく女に慣れた感じがするのは私だけなのか?
『っ!寒っ!!』
「薄着すぎだ。なぜもう少し着込んでこなかった」
『近くだしこれくらいでいいと思ったからですよ』
手を強く握ると同じように握り返してくるのは彼の可愛いところだと思う
『あ、今の人かっこよかった』
「どいつだ」
『言わない』
言ったら殺すでしょ?
子供のようにヤキモチを妬くところも可愛い
だが、低い声でぶつぶつと近くを通る男の悪いとこを言っていくのはどうかと思う
そうこうしてるうちに店に着く
✴︎続きます