第41章 キルア=ゾルデイック✴︎ホワイトデー企画
「おい!行くぞ!」
『はーい』
珍しく手をつなぎにくる彼に驚きはしたものの暖かいのでよしとする
そのまま引っ張られるようにして歩道を歩く
ふと、気になることがあった
一体どこに向かうのだろう?
行き先など何も教えてくれないのはわざとなのだろうか
それとも、ただ教えるのを忘れているのか
まぁ、どちらにしろ聞けばいい話だ
『キルア、これってどこ向かってるの?』
「お前が喜ぶとこ」
『。。何それ』
彼は、口の両端を持ち上げ笑う
まるでいたずらをする子供のようだ
いや、まだ子供だったな
そして、普通に世間話をしながら歩くこと数十分
「ここだ」
『ここ?』
たどり着いたそこは
ふりふりレースのカーテンに
ピンクの綿が辺り一面に散りばめられ
キラキラと光るピーズのアートが床全体にほどこされているという
なんとも可愛らしい店だった
『なんというか、、すごいね』
「俺もはじめ来た時思った」
扉を開けると鈴の音が響き店の奥から店主が出てくる
店主はキルアと話した後また、店の奥へと消えていった
『仲、いいんだね』
「まぁな、お袋に無理矢理連れてこられるしな」
あー、キキョウさん好きそうだもんねピンクのふりふりとか
そうなこと考えてると大きな赤い袋を持った店主が出てきた
「よし、帰んぞ」
『うん。』
あれ?私の必要性は?
あまりいみがなかったんじゃないかと思いながら再び歩き出す
赤い袋から覗くぬいぐるみならではの手は見えてなかったことにしよう
H27.3.14