第99章 【夏ver.】シャルナーク
女達と海で遊ぶ彼を視界から外し、長年読み継がれ味のある色を醸し出すものを写す
「え!バーベーキュー!いいね、俺も行きたいかも」
「いこ!いこ!お肉いっぱい食べさせてあげる」
「ずるいー私も食べさせてあげたい!」
「あはは、1人で食べれるよ」
これ、私帰ってもいいんじゃない?
キャッキャキャッキャっと聞こえる声に自身の必要性について考えてしまう
バシャンッ
そちらに気がいっていたからだろうか
降ってくる海水に気づくことができずみごとに頭からかぶってしまった
古書……濡れた…
クロロからもらった古書……
「あ、え、怒ってる?」
ちょっとした悪戯のつもりだったのだろうが私の機嫌を悪くするには十分だ
『……もう帰る』
「うわ!ごめん!!」
車へと向かう私を追いかけてくる彼
"私を見ている"
その感覚に頬が緩む
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『ねぇ、シャルナーク。胸の中がモヤモヤするのってなんて病気?』
「モヤモヤ?あぁ、嫉妬?」
『……ない』
H27.8.18.