第98章 【夏ver.】フェイタン
「…はっ。これで何匹目か?」
水中から顔を出し勢い良く息を吸う彼に目をかごに向け答えた
『わかんない。かなりの数になるけどまだ必要?』
溢れ出そうなほどのそれを見て目を輝かせる彼は水に濡れ邪魔になった前髪をかきあげる
いつもは見ないような色っぽい姿に心臓が1度大きく跳ね上がる
「…お前顔赤いね。風邪か?」
『だ、大丈夫。日に焼けただけだと思うし』
無言で近づいてくる彼から逃げるように視線をそらす
ニヤリと顔を歪めるその表情は私には見えない
「そんなにワタシがかこよかたか?」
『なっ!何言ってんの!違うかっ…ッ』
「また、赤くなたね」
急に頬に添えられた両手が首、肩、腹へと滑り落ちる
抵抗しようと伸ばした手は早々に止められた
私を捉えて離さない瞳が妖艶に輝く
『ッ…ちょ……何…』
"何がしたいの"
その言葉はしっかりとした形をせずに口からこぼれ出る
「、このかこうフィンクス達にはぜたい見せるなよ」
冷たい川の水と暖かい体温
両方が混ざり合いとても変な気分だ
それと同時に密着する肌に心拍数が上昇していく
"川で何してんの私"
一周回って冷静になった頭はそんなことを考えていた
H27.8.18