第48章 アダルトリオ
「道中、オオカミに用心しろ。オオカミはどんな悪さをするかわからん。話しかけられても無視するのだ」
『はい、クラピカ母さん』
大きく頷き微笑む私を見て安心したのかおばあさんへのお見舞い品のケーキと上等なぶどう酒の入った籠を片手に持ち
『いってきまーす』
と元気に家を出て行った
その日は暖かく軽い足取りで歩く赤ずきんの前に奇妙な姿のオオカミが現れた
「こんにちは❤︎赤いずきんが可愛い赤ずきんちゃん♦︎」
返事を返そうと口を開いたとき母さんに言われたことを思い出した私はその場を何事もないように通り過ぎようとした
「おや?無視かい?」
「酷いじゃないか♣︎返事くらい返しておくれよ♠︎」
「僕、悪いオオカミじゃないよ?」
背後で返事もないのに喋り続けるオオカミに苛立ってきた
何故こうも1人で話していられるのか?
早く諦めて何処かへ消えてもらいたい
そんな願いが叶ったのかいつの間にやらオオカミの姿がなくなっていた
『ふぅ、これで静かにおばあさんの家までいけるわ』
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『こんにちは、おばあさん』
珍しく開いたままだった戸から室内へ入るといつもと違う変な匂いがします
「やぁ、赤ずきん。久しぶりだね。あ、もしかしてそれぶどう酒?ちょうど喉乾いてたんだよね」
室内にはベッドに寝転び本を読むイルミおばあさん
おばあさんは未だにつやつやで白髪ひとつない長い黒髪を揺らし、赤ずきんを側によるよう手招きをします
『おばあさん、変な匂いがしない?』
「あぁ、変なオオカミが来たから追い出しただけだよ。その時の匂いじゃないかな?」
言われてみれば少し鉄臭い。。
マチ針のようなものを磨くおばあさんに言葉をかけようと口を開いたとき
「おい、あの変態オオカミはどこだ?」
とてつもなく大きな破壊音とともに銃を構え額に包帯を巻いた狩人だろうか?とりあえず壁を壊して入ってきた
✴︎続く✴︎