第1章 サプライズデート
黒子「今度の土曜日、練習が午前中だけなんです。だから午後から一緒に出かけませんか?」
テツヤ君からの何気ないデートのお誘い。私は二つ返事でOKした。来週はバレンタインデー。チョコレートは何を作るか決めたけど、一緒に渡すプレゼントはまだ決まってない。どうせなら本人が欲しいものにしたいから、さりげなく聞き出すには丁度いい。この時の私はそう思っていた。まさかあんなことになるとは思いもよらなかったのだ。
デート当日、午後2時。駅前でテツヤ君を待つ。練習が終わったら着替えてから行くとテツヤ君が言うので、少し遅めの待ち合わせ時間にした。待ってる時間って結構長く感じるものだけど、今日は気にならない。リサーチのためのデートプランをいろいろ考えていたら、いつの間にかテツヤ君が隣りにいた。
穂波「わ⁉︎テツヤ君びっくりさせないでよ」
黒子「すみません。穂波さん何か考え事をしているようだったので邪魔にならないようにと思って」
穂波「デートの日に考えることなんてテツヤ君のことだけだよ」
テツヤ君が頬を染めるのを見て、自分がかなり恥ずかしいことを言ったのに気づく。うわ、やっちゃったよ私。誤魔化すように慌てて口を開いた。