第35章 自然祭
その上、
奴隷船では、一ヶ月もの間…何度も蹴られ、殴られ…
サンドバッグのような扱いを受け続け…
どんなに殴られても蹴られても泣かず叫ばず…
ケイト(必ず、帰るからね…日本)
あまつさえ
海賊船が来る、30分ほど前…
ずっと、そうだったためか…
面白半分で、
右わき腹を、麻酔なしで
奴隷船の船長の脇差によって切り裂かれ
腸を引きずり出され…
暴れながら、悲鳴をあげ続ける姿を見て
ケイト「ぎゃああああああああああ!!!!!;
うわああああああああ!!!!!!;(大暴れ」
「やっと泣き出しやがったぜ、こいつ(にやにや」
そんな光景を見ながら
船員たちと共に、奴隷船の船長もまた面白がっていた…
海賊船の船長に助け出され、傷を縫ってもらうまで…
あんな目に遭わされてもなお…
私の国の国民を…日本だから、大丈夫だと…
ずっと、信じ続けてくれた…
助け出し、共に帰宅した晩…
こんな、護り切れなかった私を…
大好きだと、言ってくれた。
ずっと、一緒にいたいとも…(77~78ページ参照)
1850年の春…
6歳の外見まで成長したあなたと
共に過ごす喜びを噛み締めながら…
共に笑いながら、道を歩いていた。
それもつかの間…
盗賊たちによって、壊されてしまった…
ケイトさんが…
私を庇って出来た傷、
左脇腹上部に
脇腹上部の中央から左端にかけて…
奴隷船での傷もまた…
右脇腹下部に
脇腹下部の中央から右端にかけて
大きな傷が、二つとも…
未だ…痛々しく残って…
それでいながら…
私を憎んでいてもおかしくないのに…
私の不徳の致すところだと、
国民ごと攻め入っていても、おかしくないのに…
あなたは…
こんな私のことを…
あんな風に、言ってくれた(465ページ参照)。
こんな私を…愛し続けてくれた。
そんなあなただから、次第に惹かれ…
伴侶になりたいと、心から想わされた…
ケイトさん…
今だからこそ、私はこう思います…
あなたに会えて、本当によかったと…(微笑」
そう、心中で想いながら
刃と刃をぶつけ合う二人…
ケイトさんの心中や、如何に…?