第2章 新しい景色達
帰ると、家の明かりは灯ったままだった。
真琴君の家を後にしてからそう時は経ってなかったのか・・・?いやでも溺れたし・・・。
兎に角家がなるべく濡れぬよう気を使いつつ上がり、とっとと風呂の方へ向かう。
・・・・・・・入ってるぅぅうううう。(絶望)
#01 ステップトゥステップ 前編
でも、このまま部屋に行っても・・・。
すっかり八方塞がり立ち往生状態に陥った私は、半泣きになりつつ脱衣所であたふたしていた。
すると、
「・・・何やってんの。」
「覗きじゃないです覗きじゃないです本当なんです偶然の重なりなんですうわぁぁぁぁああああああ。」
突然開いた風呂の扉から急いで背を向けて自暴自棄に走る。
「あの、色々あって海に落ちまして・・・。」
とりあえず簡単にそれだけ伝えると、七瀬君は扉をしめまた湯船に入った様だった。
・・・会話が、成立しない!!!(泣笑)
ポジティブになってきて七瀬君ととっとと関係を修復させ水泳の教えを被ろうと思ってるのにこんなんじゃお先真っ暗ってやつだ・・・。
しかし、この陽野妙美、さっき海に落ちて凛さんと喋って以来若干活気付いてきている。
これしきでへこたれるほど柔ではない!!!
みとけよ七瀬遙ぁぁぁああああ!!!!
今に「俺が教えるなんて恐れ多い」くらい言わせてみせーーーー・・・・・・
うん、なんかずれた。
何にせよ血気盛んと言わんばかりに活気付いている私は、緊急措置として近くの自分のバスタオルを引っ掴み体の水分を拭く。
そして床にバスタオルを敷いて足を滑らせながら自室へと戻った。
これはまだまだ風呂に入り体のベタつきを取るのに時間が入りそうだ。
流石にお風呂タイムという彼の中で1番重要な時間を邪魔するのは忍びない。というか益々嫌われそうだ。
女子かよと薄ら笑いを浮かべながら、濡れてしまった服を脱ぎ捨て下着になる。そして自室に積んである洗濯されたタオルでまだ湿気た体を拭く。ベッタベタでいるよりはマシだ。
下着もびっしょりなのが一番気持ち悪くはあるが今は我慢だ。
「風呂。」
「・・・・はい?」