第2章 新しい景色達
呆然と、ただ彼の出て行った方向をみていた。
あれ、よく見ると今日は居間でテレビみてる・・・。
そういう気分の日もあるのか、はたまた見たい番組でもあるのか?
私は頭の中にクエスチョンマークをたくさん浮かべながら蛙の鳴き声とバラエティ番組の笑い声をBGMに、時が経つのを待っていた。
***
・・・次の日。
「妙美さん?」
「たえちゃーん?」
「妙美ちゃん・・・?」
昨日のあれは一体・・・。
いやだから借り・・・ってなんの?
「これ全然聞いてないですね・・・」
「どうしたんだろ?ひっぱたいてみる?」
「やめなさい渚君・・・」
「部長は何か聞いてないんですか?」
「んー・・・何にも。何かあったには違いないんだけど。それにしてもこんなに眉間に皺寄せてるし・・・ハル知ってるー?」
「俺は知らん」
「なんなんでしょう・・・」
怖くない・・・?急にあんな事するなんて、また小姑虐めの始まりかなにか・・・?(※そもそもいびられてない)
「あ、じゃあせーので声かけてみよっか!」
「「「おーーーーい!」」」
・・・・・・・・・はっ。
「んぎゃ!?」
我に返ると、目の前には仏頂面を覗いた全員が立ちはだかっていた。
ベンチで休憩していたのだが、そんなに注目するようなことがあっただろうか。
思わず変な声をあげてしまったではないか・・・。
「み、皆どうした?」
無理にとりあえず笑って見せると、皆が顔を見合わせながら不思議な顔をしていた。
「いや・・・ずっとなんだか怖い顔してたよ?大丈夫?」真琴君が心配そうにする。
怜君も似たような表情を浮かべていた。
「早く練習、しますよ!」プンプンと頬を膨らませる江ちゃん。
「えーその前に何があったかきこうよー」
「無粋ですよ渚君・・・」