第2章 新しい景色達
真剣な目で彼を見据えてしまった。
彼はしばらく私の言葉に目を見開いたままにし、やがていつもの顔へと戻っていった。
そのいつも通りのあの顔に、私は益々肩に力を入れて行く。
「・・・」
「・・・」
う、気まずい・・・!
私はまたまずいことを言っただろうか?彼の機嫌を損ねては、私の決死の告白も木っ端微塵だ。
彼の目線から目を背けられない。コバルトブルーの綺麗な瞳がこっちを捉えるように見ていた。
なに、あの妙に硬い視線は・・・。
しかしそんな視線も突然ふいとそらされ、いつもの瞳に戻った。
「・・・俺には関係ない」
そうして後ろ髪をかきながら、ダルそうに立っていってしまった。
彼の後ろ姿が見えなくなるまで、その背中を目でおった。
・・・つい彼と気まずくなった原因についてもあれやこれや口走っちゃったけど・・・。
(こ、これでよかったのか・・・・?)
不安だけが掻き立てる。あ、これから先の不安で涙が・・・。
いやいや、暗くなっていても、と、私はすっかり忘れていた電子レンジの中のパスタへと急いだ。
・・・私はどうやら、彼のおかげで少しばかり度胸がついたようだ。
-- #16 end --