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おにとゆうだち

第2章 夕立


「懐かしいな」

 膝の蝶を指に止まらせて、ぽつりと彼は言った。

「きらきらしてて、ぶわーっとなって、くるくる色が変わる蝶って、こいつだろ」
「まだ覚えてたの」

 昔、まだ鬼が見えなかった彼に、必死こいて説明したのと同じ蝶。
 止まらせた指を目の高さまで持ち上げて、彼はどこか愛おしそうにそれを見つめる。

「説明のわけがわからなさ過ぎて、ずっと気になってた」
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