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おにとゆうだち
第2章 夕立
眺めながら、私も近況を話した。
これからある夏の大会のこと。高校受験に向けての勉強のこと。
友達とのトラブルのこと。親と初めて怒鳴りあうような喧嘩をしたこと。これはかなり揉めた。
色々ありすぎて少し疲れた、と愚痴をこぼすと、
彼は思いついたようにこう言った。
「じゃあ、どこか行くか」
提案した後で、「一緒に」と小さく付け加える。
「行くかって、何処に」
沈黙が下りる。
雨の音だけが柔らかい。
「わからない」
行列は、未だ続いている。
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