第16章 彼
たこ焼きパーティーが終わると、
マイペースな渋谷さんは、
さっさとお風呂に入ってしまった。
お風呂場から、楽しそうな歌声が聞こえる
その歌声を聞きながら私は、一人で片付けをしてると、玄関のブザーが鳴った。
こんな時間に誰なんだろと思い出ると、
それは、別れた彼だった....
申し訳なさそうに立ってる彼に、私は動く事ができなかった。
「突然、ごめん...」
今更、何の用だろうと思いながら、言葉もでない
「....彼女とは別れたんだ、やっぱり俺には..」
「勝手だね!」
私は強い口調で言った。
彼は驚いた顔をしたが、言葉を続けた
「...やっぱり、もう一度やり直したいんだ、
だから、また考えてくれないか?
返事は待ってるから....」
そう勝手に告げると、ドアを閉めて帰って行った。
本当に勝手な男....
渋谷さんもそうだけど、
男って、勝手だよね、
女はいつも気持ちを振り回されてさぁ
苦しくてって、辛くって....
何であんな男に夢中になってたんだろ...
もう、優しかった事すら忘れちゃったよ
でも、寂しそうだったな...
色んな思いが溢れだし
少し涙が出そうになってた
鼻をすすりながら部屋を見ると
渋谷さんが立っていた。
聞いてたんですか?
もしかして?