第5章 絶望。
「どう?なかなかゲスな内容でしょ?」
彰人はそういうとヘラヘラとノートを閉じた。
琴乃はただただ青い顔をすることしか出来なかった。
「信じない…そんなの!!信じない!!!」
琴乃は必死にそう言った。
きっと作り話に違いない。
何度もそう自分に言い聞かせた。
「そう。信じないならそれでいいさ。」
「大体…そんなこと…なんであんたが知ってるのよ!!!!」
「今はまだ言えないけど、まぁ、いずれわかるさ。」
彰人はそう言ってはぐらかすだけであった。
「故に君のお母さんは君の事を嫌いだし、君に嫌がらせをするのが好きなようだね。優斗だって君のお母さんから誘われたようだし。」
琴乃はただただ頭が整理できずにいた。
それが真実か嘘かさえ考える事が出来なかった。
「…ねぇ、だからさ。復讐しない?君の家族たちに」
琴乃は彰人の顔を見た。
その時の彰人の顔は
笑っているようだったが目だけが笑っていなかった。