第4章 約束。
葵はひたすらに
『ミツケタ』その言葉を呟いていた。
異常だった。
何かがおかしい気がした。
「ね、ねぇ、葵…変だよ…?どうしたの?ねぇ?…葵?」
琴乃は震える声で
必死にそう訴える。
琴乃のその言葉に葵は突然黙り込み、
うつむいた。
「…葵…?」
琴乃はゆっくりと葵の方へと歩み寄る。
あと、3メートル。
あと、2メートル…
あと…
『うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!やっぱり我慢できないよぉぉぉぉぉ!!!!!大好きな琴乃ちゃんがこんなに近くにいるのに我慢なんてできないよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!』
葵はそう叫ぶと、
こちらへ勢いよく飛び出してきた。
「っひぃ!?」
琴乃は慌てて葵を避けると、
再び走り逃げ始めた。