第2章 憎悪。
しばらくベットの中にもぐっていると、
母が薬と水を持ってきた。
薬は恐らく未開封のものだったので、
大丈夫だと思うが、本当に具合が悪いわけではなかったので飲まなかった。
喉が渇いていたため、何か飲みたかったが、
その水はどこから持ってきたものか信用できなかったため、
こっそりとキッチンの方へ向かった。
母はキッチンには居らず、
部屋に居るようだった。
琴乃はキッチンの冷蔵庫を開けて、
未開封のペットボトルに入ったミネラルウォーターを
飲む事にした。
ふと、床にゴミが落ちていたので、
拾ってゴミ箱の中に入れた。
「っひぃ」
小さく悲鳴をあげ、
尻餅をついた。
ゴミ箱の中には、ビニール袋に詰められた、
大量のダンゴ虫がうようよと
動き回っていた。
…やっぱり母だったんだ。
疑念は
確信にかわった。
琴乃は慌てて、
自分の部屋に戻ろうとキッチンを出たとき、
丁度、玄関のドアが開いた。