第2章 憎悪。
世の中には複雑な家庭もあるんだな。
うちは平和でよかった。
琴乃は小さくため息をついた。
何気なくカーソルを下げていった。
記事に写真が乗っていた。
料理の写真だった。
一気に血の気が引いた。
違う。これは偶然だ。
琴乃はそう自分に言い聞かせた。
その写真の料理皿は
琴乃の家にあるものと一緒だった。
そう言えば、
今朝の朝ごはんは野菜スープだった。
少し変わった味がしてた。
…うそ?
…もしかして…?
琴乃はあわてて最新記事の日付を見た。
更新日時は今日の午前11時だった。
胃から込み上げるものを感じ、
琴乃はトイレへと駆け込んだ。